SHIBUYA109 lab.

Z世代の家族に対する意識・実態調査

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、15~18歳の男女を対象に、「Z世代の家族に対する意識・実態」ついて調査を行いました。

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INDEX 目次

1 around20の家族との関係と実態とは?

around20の家族との関係と実態とは?

デジタルネイティブと言われているaround20。SHIBUYA109 lab.のこれまでの活動では、彼らの友達とのコミュニケーションや消費実態、その背景にある価値観を明らかにしてきました。では、彼らの家族に対する考え方や、コミュニケーションにはどのような実態があるのでしょうか。

今回は、around20の家族との関係と実態を調査しました!

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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2021年3月
居住地:1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
性別:男女
年齢:15〜18歳
職業:高校生
回答数:400名(男女各200)

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
調査期間:2021年3月
グループインタビュー
対象者条件:高校生・大学生 男女 2G 合計8名

その他過去定性調査をもとに考察
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2 女子高生の約5人に1人は母と親友・友達感覚! リアルとSNSを活用した情報共有があたりまえ。恋愛に関する話題も男女共に半分以上が親と共有。

家族がどのような存在かを聞いてみたところ、19.6%の女子高生が母に対して「親友・友達」と回答し、姉・妹に対しても45.7%が「親友・友達」と回答しました。一方、男子高生は母に対して「親友・友達」と回答したのは4.7%に留まりましたが、姉・妹に対しては25.2%、兄・弟に対しては15.9%が「親友・友達」という結果となり、家族の存在について親友・友達感覚の方が多く見られました。

家族相関図

また、家族と繋がっているSNS・アプリについて聞いたところ、最も多いのは「LINE(91.0%)」、次いで「Instagram(本アカ)(25.9%)」、「Twitter(本アカ)(8.0%)」となりました。

家族と繋がっているSNS・アプリ

グループインタビューでは、「母からInstagramをフォローされている。ストーリー投稿は友達とのやり取りがリアルに見えてしまうので非表示にしているが、フィード投稿を見た母が投稿に"いいね!"してくれて、その投稿に対して話したりもする(高2男子)」、「妹(高2)とInstagramで繋がっている。自分の友達とも仲良くなりたい妹が、自分の友達にフォローリクエストをして繋がっている(大1女子)」といった話が聞かれました。

また、グループインタビューで自宅で過ごす場所について聞いたところ、大半の方が「リビング」と回答しました。「家族みんなリビングにいることが多い。自分の学校の出来事も話すし、親の仕事の愚痴や相談にも乗ったりする。(高2男子)」という声も聞かれました。

次に、普段家族と話す話題を聞いたところ、父や母とは、「進路・将来(57.1%)」「学校での出来事(学校生活や部活など)(50.0%)」「勉強・塾・資格(42.2%)」がTOP3となりました。一方、兄弟や姉妹とは「エンタメ(アニメ・マンガなど)(24.8%)「学校での出来事(学校生活や部活など)(22.3%)」「ファッション(16.2%)」「ヲタ活(16.2%)」がTOP3となりました。

家族や友達と共有や相談する話題

また、恋愛に関する話題の親との共有状況については、男女ともに「自分から話す」が30%以上、「聞かれたら話す」は20%以上と、男女ともに50%以上は親と自分の恋愛について共有している結果となりました。

恋愛について

今の高校生は親友・友達感覚の家族関係も増えており、SNSでのコミュニケーションも当たり前に行っています。またSNSアカウントを複数持っている彼らが友人のコミュニティに合わせ共有するアカウントを変えているのと同様に、家族にも共有するアカウントをコントロールすることで見せたい自分をうまく調節しながらコミュニケーションを取っているようです。

3 家族とモノもコトもシェア!女子高生は3人に1人以上、男子高生は約10人に1人が母と服をシェア。ヲタ活も一緒に。

家族とシェアしているモノ・コトについて聞いたところ、全体では1位「ヘアケア品(シャンプー、リンスー、トリートメントなど)(43.0%)」、次いで「服(39.4%)」、「書籍・漫画・TVゲーム(37.7%)」となりました。

家族とシェアしているもの

全体で2位となった服のシェアについて、家族の誰とシェアをしているのか聞いたところ、女子高生は「姉・妹(47.9%)」、「母(41.2%)」と、いう結果となりました。また男子高生も父や兄弟だけではなく、「母(9.3%)」と約10人に1人は服のシェアをしていることがわかりました。

グループインタビューでも「母と服のサイズが一緒なので、一緒に買い物に行く。(大1女子)」「母とズボンを共有したり、父の上着をたまに着たりしている。姉の服を勝手に着ることがある。(高2男子)」と、家族間での服の共有の実態が多く聞かれました。

ファッション感覚が近しい家族と服をシェアすることに抵抗がないだけでなく、親世代が楽しんでいた90年代のファッションがトレンドになっていることも影響していることが考えられます。

服をシェアしている家族

また、「ヲタ活関連のもの(CD、グッズ等)」のシェアについては、全体の15.8%がシェアしているという結果となり、家族で一緒にヲタ活を楽しんでいる姿も見られています。特に女子高生は、家族内でヲタ活の話題を「姉・妹(30.9%)」、「母(24.1%)」と共有しており、ヲタ活関連のものも「姉・妹(21.3%)」、「母(10.1%)」とシェアしています。

高校生の家族とのヲタ活

高校生の家族とのヲタ活

若者は家族と様々なモノ・コトをシェアしていることがわかりました。彼らが時間もお金も費やしているヲタ活ですが、友達だけでなく家族にも自分の推しの魅力を布教することでヲタ活に引き込み、CDの購入やコンサートへの参加を一緒に楽しんでいるという実態もよく聞かれます。この背景には、先述した家族との関係性だけでなく、ヲタ活資金の確保などの理由もあるようです。

4 コロナ禍によって新たに生まれた家族ルール「衛生管理」、「外出時間・外出先の制限」、「予定の共有」に変化あり

コロナ禍によって家族との時間も増えた若者ですが、家族との接し方に関する変化はあったのでしょうか。コロナ禍によって新たに生まれた家族の中でのルールを聞いてみたところ、55.7%が何かしら新たに生まれた家族ルールがあるとの回答となりました。

その内訳は、1位「衛生管理(手洗い・消毒の徹底など)(75.8%)」、2位「外出時間・外出先の制限(42.2%)」、3位「予定の共有(どこに誰といくかなどの共有)(35.9%)」となりました。

コロナ過での制限

コロナ過での制限

グループインタビューでは、「親から家に帰ってきたら最初にシャワーを浴びてほしいと言われるようになった(大1女子)」や、「都内へ遊びに行くことはなるべく避けてほしいといわれている。(高2男子)」など、コロナ禍の影響で衛生管理や外出場所や時間に関する家族間のルールが新たに設けられたという声が多く聞かれています。

5 約6割が「親の価値観が古いと感じる」その背景には、SNSで出会う多様な価値観

家族間の関係性において友達・親友感覚が強く、対等な関係性も築けている若者ですが、生まれ育った時代背景が異なる親の価値観に対してどのように感じているのでしょうか。

親の価値観について古いと感じることを聞いたところ、全体として「古いと感じる価値観はない」が最も多いですが、「SNSの利用に否定的(20.5%)」、「ネット上での出会いに否定的(18.2%)」など、SNSやネットの利用に関する考え方についての項目が高い結果となりました。

また、美容については「男性の美容に否定的(16.7%)」、「整形に否定的(13.9%)」、「タトゥーに否定的(13.1%)」、「ピアスに否定的(12.1%)」、多様性については「LGBTQへの理解が足りない(13.4%)」、「SDGsに対する意識がない(8.3%)」という回答となりました。

親の価値観について古いと感じること

グループインタビューでも「親にピアスをあけたいという話をしたら、男なんだからやめなさいみたいに言われたが、男女は関係ないと思う(大2男子)」「父が女は家事が当たり前のように考えているところがある。母の手伝いをやれと私には言うが、兄には言わない。本やTwitterでいろんな意見を見ていると親の考えは古いかもしれないと思う。(高3女子)」などの話が聞かれました。

6 所長コメント:家族との関係はカーストからサークルへ。フラットな関係を構築し互いを尊重しあう家族観

若者から家族との関係について聞いていると、家族間の親・子供の上下関係というよりも、フラットな関係性を築いており、家族間で互いに尊重し合いながら過ごしている実態を感じます。

普段の自宅に帰る際の門限についても「門限はないが、節度を持って日をまたがないようにしているし、帰るときはLINEで連絡する。」など、家族の間で厳正なルールがあるというよりも、彼ら自身で節度ある行動を考えつつ、家族と相談し約束を取り決めている傾向がみられています。

家族間の関係性がフラットに変化したことや、SNSやアプリを通じたオンラインコミュニケーションの活発化で連絡がスムーズに取れることにより、家族ルールの在り方に影響していることも考えられます。

また、今の若者はSNSを通して多様な価値観やライフスタイルに接触する機会が多く、家族の持つ「こうあるべき」以外の選択肢を知ることができる環境にいます。

そのため家族の価値観に対して違和感を感じた場合、家族の価値観以外の選択肢を持つことができるのが特徴です。また、ジェンダー平等などを中心とした社会課題に対する情報接触頻度も増加し、解決意欲も高い傾向にあることから、マイノリティや多様な選択を否定する言動に対して疑問を持つことが多いようです。



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